●どんなスピーカーにするか
スピーカーの箱のことをエンクロージャーといいます。
自作スピーカーというと、大体このエンクロージャーを制作することを言うようです。主な形状は、密閉型、バスレフ、ダブルバスレフ、バックロードホーンなどなど。それぞれの形状にはそれぞれの特徴があって、良し悪しもまたあるわけです。音の特性を生かし、型にはまらない独創的な箱を構想するのも醍醐味でしょう。
今回ダンボールスピーカーで制作するのは、ポピュラーなバスレフ型スピーカーにしました。
ダクトを使って低音の増幅を図ります。バスレフ型スピーカーの特徴は、構造が簡単なわりに効果が見込めることです。
DIY-Sound.net - バスレフ型スピーカー
低音といっても、おなかの下にどすんと響くようなやつは、そもそもスピーカーユニットのスペックを超えているので、そういうのは見切ってしまいます。
それよりも、比較的聞こえやすい低音(180Hz周辺)を増幅するように設計します。
本格オーディオで言われる重低音(100Hz以下)は、ややもすれば近所迷惑にもなってしまいます。都合のよい解釈ですが、手軽にという意味では、ちょうどよい切り口とも言えるわけです。
なお、バスレフのダクトを塞ぐとそのまま密閉型になります。
・スピーカーユニット
スピーカーユニットはコイズミ無線オリジナルの580円×2を使用することにします。
このスピーカーの利点はもちろん安いことです。入門用にはちょうどよいです。
作成するのは、120×160×160のバスレフスピーカーです。
難しいことはさておき、spedというフリーソフトを利用して、箱の設計を行いました。
エンクロージャー設計支援ソフトsped
こんな感じになりました。幅120mm、高さ160mm、奥行き160mmと、小ぶりでよい感じです。

使用するスピーカーユニットは登録されていないようなので、似た口径の異なるものを選択しています。この口径のスピーカーは大体似たような特性(低音が120Hzくらい)なので、大体で行くことにします。
増幅される周波帯域をあるていど見定めることができます。
素材がダンボールということもあって、狭いダクトにすると篭ってしまうように思われたため、幅を広くして長さもそれなりにとるようにしています。
このあたりは、周囲に別の吸音材などを敷くと多少は改善の余地はあるでしょうか。
あと、幅広にざっくりめの設計にしておくほうが、圧倒的に制作しやすいです。
制作は、ダンボールを三層に重ね合わせて行うようにします。板の厚みは8mmとしています。これは綺麗な数字で計算できるからで、実際は三層合わせておよそ8mm~9mmです。
ダンボールには、目があります。ラインがどっちに向かって流れているかです。強度を考えて、層によって、タテ目とヨコ目を交互に重ね合わせるように制作することにします。
また、同じ大きさの板を三層重ねてもよいのですが(そのほうが簡単なのですが)、ダンボールの場合、接着する面がスカスカなので、心もとないわけです。なので、階段状にしておき、接着するさいにボンドを入り組ませるようにします。

制作する部品をまとめておきます。

展開図にあわせて配置すると、各パーツの関係がイメージしやすい。
木工の場合は板取を考えるわけですが、行き当たりばったりに切り出していくことにします。なにせ資材は大量にあるので。
| A | 正面 | 114×117 | 108×111 | 102×105 |
|---|---|---|---|---|
| B1 | 右側面 | 160×160 | 154×154 | 148×148 |
| B2 | 左側面 | 160×160 | 154×154 | 148×148 |
| C1 | 天面 | 114×160 | 108×154 | 102×148 |
| C2 | 底面 | 114×160 | 108×154 | 102×148 |
| D | 背面 | 114×154 | 108×148 | 102×142 |
| E | 仕切り | 117×108 | 114×114 | 111×108 |
結構あります。計27種類です。
左側面と右側面を仕切りを差し込めるように、切れ込みを入れています。B1/B2とC1/C2の外寸は同じ形です。ただし、B1/B2には左右ありますので注意。
また、目を間違えないように気をつける。
若干形状が複雑になってしまったので、何度か、部品から接着、完成形を組み立てるまでの流れをシミュレーションします。
とくに、Eの板が変な形になってしまったこともあって、加工のやりかたなどあらかじめ想定しておきます。
→ 4.制作工程
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